もうなんかいろいろとだめな具合でお送りしております。
これ以上乗り遅れる前にまどか☆マギカを見たのでありました。なんかあれだな、視聴者に少女を想定しないと魔法少女ものってこうなるんだなーって思った。ウテナが少女まんが好きのおじさんの作った少女漫画へのオマージュだったのとなんか似ているような気がしたよ。
なんかいろいろと思うところがあったのでうざい程の長文を書きます。興味なかったら華麗にスルーしてください。ねたバレもするのでまだ見てなくて興味のある場合もスルーしてください。あれだ、単なる個人的な覚え書きですよ。
なんかいろいろと思うところがあったのでうざい程の長文を書きます。興味なかったら華麗にスルーしてください。ねたバレもするのでまだ見てなくて興味のある場合もスルーしてください。あれだ、単なる個人的な覚え書きですよ。
◆魔法少女ものの構造
少女のための物語であるところの魔法少女ものは少女の憧れである故に明確に戦うことの代償、突き詰めて言えば死を描かない。戦闘で追いつめられても死なない、死んでも生き返る。総じてタナトスの影響力の弱いファンタジー世界である。
少女に追体験を要求したり、同一化願望を抱かせたりしなければ視聴あるいは購読し続けてもらえないしさー、魔法少女になった先に戦って死ぬ可能性があるよとか明示したらそりゃあなりたいなって思う前に引くよね。
かつ、戦うことの報酬も呈示せず、ただ主人公であるところの彼女の使命感や正義感にのみ因って成立している。困っている小動物を助けたりするぐらいの気軽さで彼女たちは魔法少女になることを了承する。中二前後に抱きがちな変身願望もまあ満たしてくれるわけだが、その場合は魔法少女になること自体が報酬ってことになるわけで、選民思想で優越感が満たされるよね。使命感と優越感で魔法少女は戦うのだ。魔法少女は美少女戦士に置き換えても大丈夫だよね。
◆まどか☆マギカの魔法少女というもの
んで、まどか☆マギカはその辺りを明確に示したってところが新鮮だなーと思います。結果も報酬も、最終的にはすべて明示される。確かに最初は魔法少女として魔女と戦う代わりに願い事をなんでも一つ叶えます、っていう対価のプロポーズのみなんだが、そこには当たり前のこととして避け得ぬ死あるいは魔女化と言うリスクがある。それは濁さずに美化されずに描かれ、魔法少女になってソウルジェムが本体という人外になってしまっても、魔女になってしまっても、おそらく魔法少女になれる誰かがそれを願わない限りは二度と元には戻れない。
魔法少女たちは望んだ奇跡の代わりになにが与えられるか、魔女と戦う末路になにが待ち受けているかを訊かない。魔法少女になれる選ばれた存在だと言うだけで、魔女と戦うという曖昧なイメージはひとまず購われる。使命感と正義感と優越感がここで作用するわけです。魔女を倒さなければ人が死ぬ。魔女と戦えるのは魔法少女だけ。魔法少女になれるのは選ばれた女の子だけ、自分がその女の子。おまけに願い事をなんでも一つ叶えてくれる。まどかとさやかは、叶えてもらいたい願いが思いつかなかったから契約までにタイムラグが出来た。マミは考えている余裕もなく、ほむらと杏子は明確な望みを持っていた、のだろうなあ。
◆キュゥべえさんのこと。
感情のない種らしい。最後まで人間の感情に感化されることなくいましたね。そういやそういうのも珍しいよね。大体最後に「これが、感情…?」とかなんとか、敵対してたキャラクターが死ぬ間際とかに言い出すとかそいで寝返るとかよくありますが、そもそもキュゥべえは敵ではない。味方でもないけど。
嘘はついていない、訊けば答えていたよって言うキュゥべえのスタンスは腹が立つ程に論理的で合理的なんだよね。正論って人間を追いつめるだけで救わないんだよなー。
合理主義なので、世界の理が変わってしまえば魔法少女との関係性も変化する。そもそも魔法少女が一方的に嫌悪しているだけでキュゥべえは敵対する意識はない。家畜に対して本気で怒ってもねえ。
しかし、一歩引くとキュゥべえはすげえ良心的だと思うんだよね。弁明しに来るし、起こった状況に関しては訊かなくてもある程度説明してくれるし。論理的に言えば、なんでも願いを叶えてもらえるのにリスクが伴わないはずがないのだから、それについて訊かないということはそれを理解しているのだろう(彼にとってはわかり切ったことであるので)と判断して、まあ、言わねえわなあ。そもそも大多数を生かすために個体が数体死ぬことに拘るわけがわからないのだし。
どうでもいいんだけど、インターフェイスとしてのキュゥべえのかわいらしさは異常。やっぱり時代を経ていろいろと流行やらなんやらをふまえた上で変遷したりしてるんだろうか。女の子が好きそうな生き物、そう言うキャッチーさも必要だよね。
◆希望と絶望
んで、なんでも願い事を一つ叶えるっていう、物理法則を超えることも生死を操作することさえ可能って言う破格にも思える報酬の対価は、その願いの成就が破格と思えなくなる程の絶望って言うね、まあ大人になったら理解できるっていうか、当たり前と言えば当たり前の、非常に嫌なリアリティだったりするんだよね。
報酬の奇跡も、これからきみのこと絶望するしかない消耗品扱いするからせめてそれに見合うぐらいの奇跡の一つはあげとくね、ってだけの話だし。その願いの持つ希望の分だけ絶望が用意されていて、その絶望が魔女を生み出すときのエネルギーをキュゥべえは欲しているので、ギブアンドテイクというよりは搾取するための餌だよな。まさに家畜である。しかもエネルギーを出し終えたあとの魔女はほったらかしと言う、ほんとあれだな、使用済み核燃料みたいな感じだよね魔女って。
◆ほむらの繰り返しまとめ
十話で提示されたほむらの過去まとめ。数字は便宜上。この回数以上繰り返している可能性もなきにしもあらず。
一巡目:ほむらは非魔法少女・まどかとマミは魔法少女
・ワルプルギスの夜来襲でマミ死亡、まどかも死亡
・ほむら、まどかとの出会いをやり直すためにキュゥべえと契約、魔法少女に
↓ 一度目の時間遡行
二巡目:ほむら・まどか・マミは魔法少女
・ほむらも端から魔法少女であることから魔法少女になったことは時間遡行してもリセットされない
・ほむらが魔法少女であることが特異点?
・マミはどこかのタイミングで死亡?
・ワルプルギスの夜来襲でまどか魔女化
↓ 二度目の時間遡行
三巡目:ほむら・まどか・マミは魔法少女
・ほむらが魔法少女が魔女化することを知っていることが更なる特異点?
・さやか・杏子が魔法少女として登場
・さやか魔女化、その事実で絶望したマミが杏子のソウルジェムを砕く、そのマミのソウルジェムをまどかが砕く。
・ワルプルギスの夜襲来でまどかとほむら瀕死、魔女化寸前でまどかが隠し持っていたグリーフシードでほむらのソウルジェムを浄化、ほむらに過去に戻って「キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて」、それから、「魔女になりたくない」と自分のソウルジェムを破壊させる
↓ 三度目の時間遡行
四巡目:まどかは非魔法少女
・ほむらはひとりで戦闘を行うため他の魔法少女は描かれない
・ワルプルギスの夜来襲で追いつめられるほむらを前に、まどかはキュゥべえと契約(叶えた願いは不明)、ワルプルギスの夜を一撃で倒し、魔女化
・キュゥべえの存在の意味が語られる
↓四度目の時間遡行
五巡目:本編
◆神さまになった女の子
魔女との戦いで死ぬこと、魔法少女になったら人間じゃなくなること、魔法少女が絶望したら魔女になること。全部を知って、それでもまどかは魔法少女になると言う選択をする。過去から未来、すべてに存在した魔女を生まれる前に消し去ると言う願いを叶えるために、死ぬよりも惨い、未来永劫生まれる前の魔女を消し去るために戦い続ける概念になってしまう。世界の摂理を変えてしまうそんな願いを可能にしたのはほむらが何回も同じひと月を繰り返すうちに束ねられていった因果律。いつかの日、時間を遡れるほむらに、キュゥべえに騙される前のバカな私を助けてあげて、と願った女の子は、同じ日に途方もない願いを叶えるためにキュゥべえと契約して魔法少女になる。その時彼女は騙されたわけではなく、すべてを知った上でそれを選択する。
なんかさー、まどか☆マギカは魔法少女になる資格のない人のためのファンタジーだと思うだけどさ、だから一番最初で吹いた魔法少女ものの構造とは頭と尾っぽが違うと思うんだけどさ、まどかが魔法少女になって願いを叶える下りだけは一般的な魔法少女ものみたいな精神構造になってると思うんだよね。使命感、正義感、わたしにだけしか叶えられない願い。存在がなかったことになって概念として永遠に存在しなければならなくなったっていう結果も、死という明確なものに対してはものすごく曖昧だ。「死ぬより惨い」と台詞には出来てもぴんと来ない。だって誰もそんなことを経験したことがないし、経験しようがないから、想像することしか出来ない。
まどかはもとから自分が死ぬってわかっていてもなにかを守るために戦うことをやめないような女の子だった。魔女にならないようにほむらに自分のソウルジェムを砕かせたのも守りたいもののためだった。もとから彼女の精神構造はそういうものだったのかもなー。一番質悪いよなー。
自分が魔法少女にならなければ魔女になることもなく、だから「キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて」とほむらに願ったのだとして、それが自分のためなのか守りたいもののためなのか、ほむらのためなのかってのがいまいちわからん。いやほむらのためってのはわたしの欲するファンタジーなので多分ない。自分のためだとしたらまだ人間くさくていいと思う。因果律だけじゃなくて精神性まで束ねたそれから先のまどかが、かみさまになってしまうような精神構造になってしまったって方が、個人的には納得できるし救われる。
ほむらの望みはまどかが死なないこと、まどかと明日を生きることだったのに、まどかはそのへんをはき違えてしまったのだよね。ぼくはきみと答えを探してみたかったのに。魔法少女の祈りが裏切られないためのまどかの願いは、ほむらを疎外してしまったよね。魔女になってしまうとしても、まどかと一緒に終われるってだけであんなに穏やかに死を受け入れようとした子だよ。なんかオレここにサスナルを見ちまってさあ、自分がきもい。かみさまに恋をしたらそりゃ報われないよね。でも、主人公格の望みを結果的にとは言えもうひとりの主人公格が妨げると言うこの皮肉。最大公約数の幸せはある特定の一人の幸せを約束しねえのだ。
てことで、わたしはほむらちゃん萌えだよ。まどかがいなくなってしまった世界で、絶望することすら自分にゆるさずに戦い続けるんだよ、あの子の守りたかった世界を守るためにって。力つきた時、円環の理に導かれた一回だけ、やっとまどかに再会できる。でもそれから先ずっと一緒にいられるというわけでもないんだろうな。本当にほむらが可哀想すぎて、不憫でならん。
◆まとまらないまとめ
まどか☆マギカは、魔法少女になれない人のための魔法少女もので、女の子がかみさまになる物語である。そしてそのかみさまをひとりだけ認識し信じ続ける女の子が、独りきりで戦い続ける物語である。ほむまど萌え。
うんまあ、破綻はそこかしこにあったわけだけども最後の最後で思いっきり台無しだよ!!
少女のための物語であるところの魔法少女ものは少女の憧れである故に明確に戦うことの代償、突き詰めて言えば死を描かない。戦闘で追いつめられても死なない、死んでも生き返る。総じてタナトスの影響力の弱いファンタジー世界である。
少女に追体験を要求したり、同一化願望を抱かせたりしなければ視聴あるいは購読し続けてもらえないしさー、魔法少女になった先に戦って死ぬ可能性があるよとか明示したらそりゃあなりたいなって思う前に引くよね。
かつ、戦うことの報酬も呈示せず、ただ主人公であるところの彼女の使命感や正義感にのみ因って成立している。困っている小動物を助けたりするぐらいの気軽さで彼女たちは魔法少女になることを了承する。中二前後に抱きがちな変身願望もまあ満たしてくれるわけだが、その場合は魔法少女になること自体が報酬ってことになるわけで、選民思想で優越感が満たされるよね。使命感と優越感で魔法少女は戦うのだ。魔法少女は美少女戦士に置き換えても大丈夫だよね。
◆まどか☆マギカの魔法少女というもの
んで、まどか☆マギカはその辺りを明確に示したってところが新鮮だなーと思います。結果も報酬も、最終的にはすべて明示される。確かに最初は魔法少女として魔女と戦う代わりに願い事をなんでも一つ叶えます、っていう対価のプロポーズのみなんだが、そこには当たり前のこととして避け得ぬ死あるいは魔女化と言うリスクがある。それは濁さずに美化されずに描かれ、魔法少女になってソウルジェムが本体という人外になってしまっても、魔女になってしまっても、おそらく魔法少女になれる誰かがそれを願わない限りは二度と元には戻れない。
魔法少女たちは望んだ奇跡の代わりになにが与えられるか、魔女と戦う末路になにが待ち受けているかを訊かない。魔法少女になれる選ばれた存在だと言うだけで、魔女と戦うという曖昧なイメージはひとまず購われる。使命感と正義感と優越感がここで作用するわけです。魔女を倒さなければ人が死ぬ。魔女と戦えるのは魔法少女だけ。魔法少女になれるのは選ばれた女の子だけ、自分がその女の子。おまけに願い事をなんでも一つ叶えてくれる。まどかとさやかは、叶えてもらいたい願いが思いつかなかったから契約までにタイムラグが出来た。マミは考えている余裕もなく、ほむらと杏子は明確な望みを持っていた、のだろうなあ。
◆キュゥべえさんのこと。
感情のない種らしい。最後まで人間の感情に感化されることなくいましたね。そういやそういうのも珍しいよね。大体最後に「これが、感情…?」とかなんとか、敵対してたキャラクターが死ぬ間際とかに言い出すとかそいで寝返るとかよくありますが、そもそもキュゥべえは敵ではない。味方でもないけど。
嘘はついていない、訊けば答えていたよって言うキュゥべえのスタンスは腹が立つ程に論理的で合理的なんだよね。正論って人間を追いつめるだけで救わないんだよなー。
合理主義なので、世界の理が変わってしまえば魔法少女との関係性も変化する。そもそも魔法少女が一方的に嫌悪しているだけでキュゥべえは敵対する意識はない。家畜に対して本気で怒ってもねえ。
しかし、一歩引くとキュゥべえはすげえ良心的だと思うんだよね。弁明しに来るし、起こった状況に関しては訊かなくてもある程度説明してくれるし。論理的に言えば、なんでも願いを叶えてもらえるのにリスクが伴わないはずがないのだから、それについて訊かないということはそれを理解しているのだろう(彼にとってはわかり切ったことであるので)と判断して、まあ、言わねえわなあ。そもそも大多数を生かすために個体が数体死ぬことに拘るわけがわからないのだし。
どうでもいいんだけど、インターフェイスとしてのキュゥべえのかわいらしさは異常。やっぱり時代を経ていろいろと流行やらなんやらをふまえた上で変遷したりしてるんだろうか。女の子が好きそうな生き物、そう言うキャッチーさも必要だよね。
◆希望と絶望
んで、なんでも願い事を一つ叶えるっていう、物理法則を超えることも生死を操作することさえ可能って言う破格にも思える報酬の対価は、その願いの成就が破格と思えなくなる程の絶望って言うね、まあ大人になったら理解できるっていうか、当たり前と言えば当たり前の、非常に嫌なリアリティだったりするんだよね。
報酬の奇跡も、これからきみのこと絶望するしかない消耗品扱いするからせめてそれに見合うぐらいの奇跡の一つはあげとくね、ってだけの話だし。その願いの持つ希望の分だけ絶望が用意されていて、その絶望が魔女を生み出すときのエネルギーをキュゥべえは欲しているので、ギブアンドテイクというよりは搾取するための餌だよな。まさに家畜である。しかもエネルギーを出し終えたあとの魔女はほったらかしと言う、ほんとあれだな、使用済み核燃料みたいな感じだよね魔女って。
◆ほむらの繰り返しまとめ
十話で提示されたほむらの過去まとめ。数字は便宜上。この回数以上繰り返している可能性もなきにしもあらず。
一巡目:ほむらは非魔法少女・まどかとマミは魔法少女
・ワルプルギスの夜来襲でマミ死亡、まどかも死亡
・ほむら、まどかとの出会いをやり直すためにキュゥべえと契約、魔法少女に
↓ 一度目の時間遡行
二巡目:ほむら・まどか・マミは魔法少女
・ほむらも端から魔法少女であることから魔法少女になったことは時間遡行してもリセットされない
・ほむらが魔法少女であることが特異点?
・マミはどこかのタイミングで死亡?
・ワルプルギスの夜来襲でまどか魔女化
↓ 二度目の時間遡行
三巡目:ほむら・まどか・マミは魔法少女
・ほむらが魔法少女が魔女化することを知っていることが更なる特異点?
・さやか・杏子が魔法少女として登場
・さやか魔女化、その事実で絶望したマミが杏子のソウルジェムを砕く、そのマミのソウルジェムをまどかが砕く。
・ワルプルギスの夜襲来でまどかとほむら瀕死、魔女化寸前でまどかが隠し持っていたグリーフシードでほむらのソウルジェムを浄化、ほむらに過去に戻って「キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて」、それから、「魔女になりたくない」と自分のソウルジェムを破壊させる
↓ 三度目の時間遡行
四巡目:まどかは非魔法少女
・ほむらはひとりで戦闘を行うため他の魔法少女は描かれない
・ワルプルギスの夜来襲で追いつめられるほむらを前に、まどかはキュゥべえと契約(叶えた願いは不明)、ワルプルギスの夜を一撃で倒し、魔女化
・キュゥべえの存在の意味が語られる
↓四度目の時間遡行
五巡目:本編
◆神さまになった女の子
魔女との戦いで死ぬこと、魔法少女になったら人間じゃなくなること、魔法少女が絶望したら魔女になること。全部を知って、それでもまどかは魔法少女になると言う選択をする。過去から未来、すべてに存在した魔女を生まれる前に消し去ると言う願いを叶えるために、死ぬよりも惨い、未来永劫生まれる前の魔女を消し去るために戦い続ける概念になってしまう。世界の摂理を変えてしまうそんな願いを可能にしたのはほむらが何回も同じひと月を繰り返すうちに束ねられていった因果律。いつかの日、時間を遡れるほむらに、キュゥべえに騙される前のバカな私を助けてあげて、と願った女の子は、同じ日に途方もない願いを叶えるためにキュゥべえと契約して魔法少女になる。その時彼女は騙されたわけではなく、すべてを知った上でそれを選択する。
なんかさー、まどか☆マギカは魔法少女になる資格のない人のためのファンタジーだと思うだけどさ、だから一番最初で吹いた魔法少女ものの構造とは頭と尾っぽが違うと思うんだけどさ、まどかが魔法少女になって願いを叶える下りだけは一般的な魔法少女ものみたいな精神構造になってると思うんだよね。使命感、正義感、わたしにだけしか叶えられない願い。存在がなかったことになって概念として永遠に存在しなければならなくなったっていう結果も、死という明確なものに対してはものすごく曖昧だ。「死ぬより惨い」と台詞には出来てもぴんと来ない。だって誰もそんなことを経験したことがないし、経験しようがないから、想像することしか出来ない。
まどかはもとから自分が死ぬってわかっていてもなにかを守るために戦うことをやめないような女の子だった。魔女にならないようにほむらに自分のソウルジェムを砕かせたのも守りたいもののためだった。もとから彼女の精神構造はそういうものだったのかもなー。一番質悪いよなー。
自分が魔法少女にならなければ魔女になることもなく、だから「キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて」とほむらに願ったのだとして、それが自分のためなのか守りたいもののためなのか、ほむらのためなのかってのがいまいちわからん。いやほむらのためってのはわたしの欲するファンタジーなので多分ない。自分のためだとしたらまだ人間くさくていいと思う。因果律だけじゃなくて精神性まで束ねたそれから先のまどかが、かみさまになってしまうような精神構造になってしまったって方が、個人的には納得できるし救われる。
ほむらの望みはまどかが死なないこと、まどかと明日を生きることだったのに、まどかはそのへんをはき違えてしまったのだよね。ぼくはきみと答えを探してみたかったのに。魔法少女の祈りが裏切られないためのまどかの願いは、ほむらを疎外してしまったよね。魔女になってしまうとしても、まどかと一緒に終われるってだけであんなに穏やかに死を受け入れようとした子だよ。なんかオレここにサスナルを見ちまってさあ、自分がきもい。かみさまに恋をしたらそりゃ報われないよね。でも、主人公格の望みを結果的にとは言えもうひとりの主人公格が妨げると言うこの皮肉。最大公約数の幸せはある特定の一人の幸せを約束しねえのだ。
てことで、わたしはほむらちゃん萌えだよ。まどかがいなくなってしまった世界で、絶望することすら自分にゆるさずに戦い続けるんだよ、あの子の守りたかった世界を守るためにって。力つきた時、円環の理に導かれた一回だけ、やっとまどかに再会できる。でもそれから先ずっと一緒にいられるというわけでもないんだろうな。本当にほむらが可哀想すぎて、不憫でならん。
◆まとまらないまとめ
まどか☆マギカは、魔法少女になれない人のための魔法少女もので、女の子がかみさまになる物語である。そしてそのかみさまをひとりだけ認識し信じ続ける女の子が、独りきりで戦い続ける物語である。ほむまど萌え。
うんまあ、破綻はそこかしこにあったわけだけども最後の最後で思いっきり台無しだよ!!
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蘭
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性別:
女性
趣味:
ものかき・妄想・うたうたい
自己紹介:
・硝子細工の夢でもいいので、与えて欲しいものです。
・サスケスキー且つヒバリスト。
・東京生まれ湘南育ち京都在住。
・海がない生活なんて無理とか思ってたけどそんなでもなかった。
・盆地でなんて生きられないとか思ってたけどそんなでもなかった。
・No Music,No life.No Mac,No life.No サンボマスター,No life.
・妄想で動いています。妄想で働いています。
・サスケスキー且つヒバリスト。
・東京生まれ湘南育ち京都在住。
・海がない生活なんて無理とか思ってたけどそんなでもなかった。
・盆地でなんて生きられないとか思ってたけどそんなでもなかった。
・No Music,No life.No Mac,No life.No サンボマスター,No life.
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